水揚げされたばかりの新鮮なメガイアワビです。
房総では、どこよりも新鮮で美味しい鮑が日々水揚げされています。メガイアワビは太平洋側では房総 半島以南~九州までに分布し、大きさは大きなもので20cm前後になり殻は赤褐色、足の部分は黄土色なのが特徴です。このメガイアワビは、他のどのアワビよりも身が柔らかく、お刺身でたべるより煮たり酒蒸しで食べるとより美味しく食べることができます。また、市場ではクロアワビを「おがい(雄貝)」、メガイアワビを「めがい(雌貝)」と雌雄であるかのように呼んでいますが、実際は別種になり、クロアワビの色が黒くメガイアワビが赤いことから古来より男女に 例えられこのように呼ばれています。(かつては実際に雄雌と勘違いされていました。)中国料理ではこのメガイアワビを飴色に干して「明鮑」(ミンパオ)と して食しています。外房産のアワビはこれからさらに旨味を増し、極上の味を楽しませてくれます。
厳選した新鮮で肉厚の天然クロアワビ、蒸して、焼いて、お刺身で食べる鮑は最高の贅沢。
海女さんが数メートル~15メートルはある海底まで潜り 獲った新鮮な鮑を、最高の状態のまま皆様へご提供いたします。当館では鮑の鮮度を保つため、その都度水揚げされたばかりの厳選した鮑を仕入れ、自然そのま まの味を楽しんで頂いております。
アワビ(鮑、 鰒、蚫)
ミミガイ科の巻貝。日本では北海道南部から九州まで分布し、クロアワビ、マダカアワビ、メガイアワビ、エゾアワビの4種が生息していま す。餌はワカメやコンブなどの褐藻類または紅藻類を食べ、夜行性の物が多く日中は岩棚や砂の中に潜って隠れています。アワビの雄と雌の見分け方は生殖腺の 色で判別することができ、淡い黄土色が雄、深緑色をしたものが雌となります。また産卵期は地域によって異なり、房総半島では11月~12月が産卵期となり ます。このアワビはご存知の通り高級食材として古来から珍重され、コリコリとした食感が特徴で中でもクロアワビが最も高級なアワビと言われています。関東 では大原産のマダカアワビが大変有名で、1個1kもある特大のアワビです。現在では漁獲量が激減しめったに見られない貴重なアワビとなっています。酒蒸しで食べると最高の味わいを楽しむことができます。
これから一段と旨味を増す房州産鮑、ぜひ食べにお越し下さい。
天に向かって花開かせる山法師。
白い頭巾をいっぱいに広げ光輝を放つ姿はなんとも美しいです。
ヤマボウシ(山法師)
ミズキ科ヤマボウシ属の落葉高木。本州から九州、朝鮮半島、中国に分布 し、街路樹、庭園樹、公園樹などに広く用いられています。開花期は5月~7月。花→果実→紅葉と長い期間楽しむことができるので、庭木としては最適。(材 は器具材としても利用されます。)葉は楕円または卵円形で全縁、やや波打ち対生し、花は淡黄色でとても小さく、多数球状に集合し、白く花弁に見えるのは4 枚の大形で白色の総包片です。またヤマボウシは9月頃に1~3cmの球状をした食べることのできる赤い果実(集合果)をつけ、食感はやわらかくマンゴーに似た甘さがあり果実酒としても用いられています。(果皮も熟すととても甘いです。)このヤマボウシは常に水のある環境を好む植物であり、乾燥状態になると葉の回りなどが枯れ、ひどくなると小枝や全体が枯れることがあります。水はけのよい常に水の存在する環境を整えてやることが最良です。「山法師」の名の由来は、中央の丸い花を坊主頭、4枚の総包片を白い頭巾に見立て比叡山延暦寺の「山法師」になぞらえつけられました。また、果実の表面が桑のようにブツブツ しているようすから別名「山桑(やまぐわ)」とも言われ、中国では枝いっぱいに咲いた花が四方を照らす光景を表現し「四照花」と呼ばれています。花言葉 は、「友情」。
池の縁で淡い朱赤色に染まる山躑躅。
鯉も見惚れて仰いでます。
ヤマツツジ(山躑躅)
双子葉植物、合弁花類、ツツジ科ツツジ属の落葉低木(半落葉)。分布は北海道南部、本州、四国、九州の丘陵帯から山地帯下部に分布し、山などで普通に見ることのできる日本を代表するツツジです。開花期は4月~6月。果期は8月~10月。樹高は 1~4mになり、山では地面にへばりつくように成長しているものをよく見かけます。樹皮は灰黒色で縦に裂け目があり、枝は褐色の剛毛が特徴。葉は楕円形をし単葉で互生。枝の先に輪生に集まり表面は緑色、裏面は灰緑色をし、両面ともに褐色の伏毛が多く葉先は鋭頭です。花は直径4cmほどになり、花冠は漏斗形 で5裂し、上側の裂片には斑点があり蜜標の役割をします。雄しべは5個で花糸は有毛。花の色は淡朱紅色、朱赤色、紅紫色など。また、果実は長さ約1㎝の卵 形の朔果をつけます。このヤマツツジも古いもので樹齢1000年に及ぶ古木があるように、日本人との歴史は古く、ツツジの名は万葉集にある都追慈(つつじ)が語源とされ、名の由来は次々に花が咲くため「続き咲き」、また筒状の花をつけるので「筒咲き」などの言葉が訛ったという俗説等諸説があります。花言葉は「努力、燃える思い」。
客室の庭先で、神秘的な妙味を漂わせる石楠花が咲いていました。
この幻想的な色と形、自然は季節折々の雅致に富んだ風情を楽しませてくれます。
シャクナゲ(石楠花、石南花)
ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜 属の常緑性の低木を総称して呼び、狭義にはアズマシャクナゲやツクシシャクナゲのことを指します。このシャクナゲの分布範囲はとても広く、北半球の亜熱帯 から熱帯山地、南は赤道を越え南半球のニューギニア、オーストラリアまで分布しています。このように広範囲に渡って分布しているため、野生の変種、園芸品 種を合せるとその数は、数百種類あると言われています(ヒマラヤには特に多くの種類が分布しています)。開花時期は4月~5月。シャクナゲの花は大きく 派手な色彩が特徴で、色は白、赤、黄色などがあり、またこのシャクナゲの葉の部分にはロードトキシンなどの毒性が含まれ、これを摂取すると中毒症状を起こすのでご注意下さい。(「石南」という漢方薬がありますが、全く関連性はありません。)漢字の「石南花」は中国産の別種の名であり、これを誤って名付け「石楠花」は漢名であります。花言葉は、「威厳、荘厳、警戒、危険」。福島県、滋賀県の県花でもあります。
緑水園に鈴の音を響かせるかのように、鈴蘭が元気いっぱいに揺れています。
夏近い若葉繁茂する緑水園では、今さまざまな花々が僅かな花咲くときを 懸命に生きています。
スズラン(鈴蘭、別名:「君影草、谷間の姫百合」)
ユリ科ズズラン属に属する多年草。北海道、東北、本州中部以北に自生し、北海道を代表する花であり、北国の春を告げる代表 的な花でもあります。開花期は4月下旬から5月。地下茎を横に這わせながら茎を地上に伸ばし、葉蛸の筒は直立し、先端に緑色で柔らかい葉を数枚展開させ、 鈴(名の由来)のような白い花を複数個つけ、葉に隠れるようにして咲きます。このスズランは有毒物質を持っていることでも知られ、誤って活けた水などを飲 んでしまうと中毒症状を起こし大変危険なのでくれぐれもご注意下さい。日本で花壇や庭先などで栽培されているのスズランは、ヨーロッパ原産のドイツスズラ ンが多く、当館で咲いているスズランもこれです。より大型で、葉とほぼ同じ高さに花をつけます。スズランの花事葉「意識しない美しさ、幸福が訪れる、純 潔、純粋」です。緑水園で慎ましく咲いている鈴蘭でした。
春風そよぐ緑水園の木陰で、可愛らしい海老根蘭が咲いていました。
エビネ(海老根)
ラン科エビネ属を総称し、このうちの一種の和名でもあります。シランなどと共にラン亜科のエビネ連のエビネ亜連に属する多年草で、東南アジアを中心に、北はインド、中国、日本、東はミクロネシア、西は東アフリカ熱帯、南はオーストラリア北部までに分布し約 200種が確認されています。日本では北海道西南部から沖縄島までに分布し、約20種が自生しています。(日本産の種は全て常緑性。)開花期は4月~5 月。茎は短く、根本は球茎、葡匐茎で連なり、薄い葉を2~10枚ほどつけ花序は総状で直立します。花の色は多種多様で、がく片と側花弁は赤褐色、褐色、黄 褐色、緑褐色、緑などがあり、唇弁は白または薄紫紅色のものがあります。このように多彩で美しい花をつけるエビネは、人々に大変好まれ観賞用として盛んに栽培されていますが、やはりこぞって野生のエビネを園芸採取したため、シラン同様に絶滅危惧種に指定されています。綺麗、美しいというのも...。エビネの名の由来は、地下に連なっている茎から生える根が、海老の頭を指で摘まんで持ち上げた様子に似ていることから「海老根」と名付けられました。花言葉は「忠実」です。
中庭「緑水園」を紫色に染めている春の花紫蘭です。
鯉が優雅に泳ぐ春の緑水園では、季節の花々が競うように咲き始めました。
シラン(紫蘭、別名:ベニシラン、シケイ)
ラン科シラン属の 耐寒性宿根草。原産地、日本、台湾、中国に自生し、日本では本州の中南部から四国、九州に分布しています。このシランは、ラン科植物の中でも極めて丈夫な ことでも知られ、日陰、日向、乾燥、過湿にも耐えることができ、とても栽培しやすいことから観賞用として庭なのどで広く栽培されています。開花期は4月~5月。咲き始めから1ヶ月ほど花を咲かせ、草丈は30~60cm、花茎の先に数個の花弁をつけ、花弁は細長く完全に開かない感じで咲き、白色、紫紅 色、斑入りなどの種類があります。通常ラン科植物の種子は特別な条件下でないと発芽しませんが、本種は無菌播種であれば単純な培養液上でも、用意に発芽さ せることができます。またシランは漢方薬としても重宝され、白及(びゃくきゅう)と呼ばれる偽球茎は、止血、痛止め、慢性胃炎に用いられています。このよ うに観賞用、薬として人々に愛されてきたこのシランも、今では野生のシランが激減し準絶滅危惧種に指定されています。花言葉は「変わらない愛、お互い忘れないように、美しい姿、楽しい語らい」です。
地元では好んで食べられているとても美味しい「シッタカ」(尻高)です。
シッタカは以前自家消費されるだけの貝でしたが、とても美味しいことから 近年市場にもでまわるようになりました。このシッタカは磯で獲れる巻貝の中でも特に美味しい巻貝で、塩茹でしただけでも美味しく、またお醤油との相性がと ても良く、薄味で煮込むと磯の香りと相俟って食べ出したら最後の一個まで食べ続けてしまうほど大変美味な巻貝です。食べ方は、貝から抜き取るときに爪楊枝 を使いくるくるっと抜きとるのですが、待針を使うと最後の肝(ワタ)の部分まで切れずに取り出せより美味しく食べられます。また、この身の最後についてい る肝には独特の苦味があり、この苦味がお酒にとても合い、酒の肴に最高です。夏、磯へ遊びに行かれることがありましたらぜひ探してみて下さい。房総の磯ではシッタカを容易に見つけることができます。ですが獲るときは場所により漁業権がありますので十分にご注意を。口の中に磯の香りが広がるとても美味しいシッタカでした。
バテイラ(馬蹄螺)
腹足 綱前鰓亜綱古腹足目ニシキウズガイ科。青森県以南から九州大隈半島の太平洋沿岸の潮間帯下部から水深30mまでの岩礁に生息し、日本海側に生息する大型の 亜種オオコシダカガンガラ(大腰高岩殻)と共に市場でシッタカとして売られています。この2種は形態が異なり、バテイラは殻高5㎝ほどの正円錐形をし周縁 角は明瞭で底面に成長線があり螺肋を欠き、オオコシダカガンガラは殻高6㎝ほどで殻の表面にはうねがあり底面に成長線と螺肋があります。餌は共に草食のた め、普段はやや深めの岩やテトラポットについている海藻を歯舌で削り取って食べ生きています。また、地域によりさまざまな名で呼ばれるこのバテイラは、関 東はシッタカ(尻高)、三重県はシリタカ、ガンガラ、沼津ではイッコ、東しな海では三角ミナ、若狭湾ではたかじりなどの名で呼ばれています。標準和名のバ テイラ(馬蹄螺)は、馬のひづめの形に似ていることから、このように名づけけられています。
青々と緑茂る内浦山のふもとに、ひときわ淡紫色に輝く藤がありました。
この季節になると内浦山の山々では、遠くからでもわかるほどのとても鮮やか な藤が咲き、なんとも言いがたい優美な光景が広がっております。
フ ジ(藤)
マメ科のフジ属を総称して呼び(その中の1種の種名でもある)木に巻きつき樹冠に広がるツル性の木本です。開花時期は4 月~5月に淡紫色と白色の花を房状に垂れ下げ咲き、日本での固有種は、藤(野田藤)と山藤の2種があります。一般的に藤と言われているものが藤になり、花 序は長く20~80㎝ほどで木に対して右巻きに蔓を巻きつけます。これに対し山藤は花序が短く、蔓は左巻きに巻きつけるのが特徴です。それぞれの分布地は 藤が本州、四国、九州の温帯から暖帯に分布し、山藤は本州西部・四国・九州の暖帯の山地に自生しています。また、山藤と藤を区別する上で藤を「野田藤」と 呼ぶのがよいようです。この野田藤の名は、発祥の地が大阪市福島区野田なのでこれに因んで野田藤と名付けられたようです。藤は日本古来から愛されている花 でもあり、各所で藤に因んだ名称や意匠を見ることができます。また、日本では園芸植物として藤棚に仕立てられていることが多く、この中でも春日大社の名木 「砂ずりの藤」は世界遺産にも指定されています。この他、藤島の藤、熊野の長藤、牛島の藤、黒木の大藤をはじめ数多くの藤が天然記念物に指定されておりま す。藤の花言葉は「歓迎、恋に酔う、陶酔」です。