寒さ厳しくなるにつれ、南房総の海の幸も一段と脂が乗り、旨味を増していきます。
生息する環境や季節の訪れによって変化する魚介の味や食感は、口にした瞬間から脳を駆け巡り、新たな食の世界へと人々を誘います。これから益々美味しくなる南房総の新鮮な魚介を、洗練された匠な技で思う存分ご堪能ください。
麗らかな日和を浴び桜が咲き始める頃、南房総の春をたっぷりと感じることのできる献立ができました。
先日東京でも桜の開花が確認され、もうすぐここ南房総にもお花見が楽しめる季節がやってまいります。南房総に植えられたたくさんの桜たちは、妖艶で可憐な美しさを枝いっぱいに咲き匂わせ、南房総へお越しになる人々を色鮮やかな色彩で包み込んでくれます。桜の美しさに心癒され、春薫る南房総の恵に微笑み、長閑な風景広がる安らぎの南房総で、素敵なひとときをお過ごし下さいませ。皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。
南房総は梅雨真っ只中。もう直ぐ南房総の焼けるような日差しが皆様を迎えてくれます。
月替り新磯懐石季節の一品
【煮 物】 長茄子 玉葱
南瓜 ブロッコリー 甘長志々唐
料理は日常目で見ることのできない人の心を具現化する大切な表現方法であり、その中でも日本料理は特に「心」を重んじ表現され作られた料理である。自然との調和「和の精神」、尊い命を宿す全てのものを敬うという和の心を基に作り上げた日本料理は、和の精神がそのままに表現され、日本人の奥深い世界観が随所にちりばめられている。料理は同じ料理であっても作り手の文化や考え方の違いが率直に反映され、当然のように味や造形は形を変え変化する。和の心を持って作られた料理には、食材、料理、食する人々、あらゆるものに対しての誠意、真心が表現され、古来から守り続けてきた日本人の和の精神が形作られている。
賑わいを見せたゴールデンウィークも一段落し、小湊ではのんびりとした時が流れています。
月替り新磯懐石初夏の一品
【煮 物】 金目鯛旨煮
蕨豆富 蓮芋 牛蒡
筍 うりずん豆 花弁人参 百合根
飽くなき食への追尋、料理人は様々な食文化の中から自分の目指す世界を見出しその世界へとのめり込む。和の世界を目指した者もまた、日本料理に描かれし和の心に引き込まれ和の世界へとのめり込む。無限に広がる料理の世界、進化し続ける食文化から僅かでも目を逸らせば、料理の世界観は劇的な変化を遂げている。創造性溢れる料理の世界は独特の世界観があり、国やその土地に息づく歴史、文化そのもを表現し足跡を遺し続けている。
今年のゴールデンウィークは天候も好く、行楽地はたくさんの人々で賑わいそうです。
月替り新磯懐石初夏の一品
【温 物】 房州豚角煮
玉葱含せ ひじき 椎茸
甘長 馬鈴薯餡 ブロッコリー
風土特有の優れた食材、調理技術、味わい。日本料理の中に見る美しさ、それは自然と調和し季節を感じ楽しむこと。目の前に広がる日本の食文化から感じられるものは、人それぞれに違い独自の物語が展開されて行く。食を愛してやまない人には、素晴らしい食文化との出会いが待っています。
御陰様で当館は台風の影響もなく、午後には台風一過の青空が望めました。
月替り新磯懐石今月の一品
【蒸 者】 鮭親子蒸
車海老 青銀杏 湿地
イクラ 巣立 春菊美味餡
料理人には、「料理人の命」といわれるものがあり、「包丁」もその一つです。世界には様々な料理があり様々な調理器具がありますが、日本料理ほど数々の包丁を使い分け、調理する料理はないのではないでしょうか。薄刃包丁、出刃包丁、柳包丁、鱧包丁、蛸引き包丁など、当然どの包丁にも役割、使い方があり、一人前の料理人になるにはこの一つ一つの包丁を使えるようにならなくてはなりません。日本料理はなぜこなにも多くの包丁を使うようになったのか、それは先人から続く日本人の「食」というものに対する心の表れと言って良いのではないでしょうか。日本の食文化そのものです。料理人はこの包丁を身体の一部のように大切にし、ダイヤモンドが切れるほど砥ぎ上げ、自在に使いこなします。料理人の計り知れない料理への想いが、こだわりの素晴らしい料理を作り出します。
本日の房総は晴れ間が垣間見れとても暖かな一日となりました。
月替り新磯懐石今月の一品
【煮 物】 秋味炊合せ
飯蛸旨煮 里芋揚煮 煮鮑
蛤真丈 隠元 紅葉人参 銀杏芋
料理人は、自ら選び仕入れた最高の食材を使い、悩み考え納得のできた料理だけしか出しません。これは喜んでもらいたいという、料理人の一流の「職人気質」がそうさせます。職人だけが持つこの独特の気質は、どうしたら喜んでもらえるかを追求し、納得できるまで妥協することない実直さがあり、この気質こそが素晴らしい料理を生み出す原動力です。料理に対する心構え、職人気質こそ、心に伝わる料理が作り出せる源です。
シルバーウィークの最中小湊も大変賑わっています。
月替り新磯懐石今月の一品
【煮 物】 甘鯛蕪蒸
青銀杏 海老 スモークサーモン
青梗菜 美味餡掛
日本料理を知る上で基本となる伝統の「五」があります。それは、「五法、五味、五色、五適、五覚」であり、これが和食の基本となり和食の真髄であります。料理人たちはこの伝統の「五」を学び、料理に対する想いを込めそれぞれの味わいを表現してみせます。
「五」
五法・・・切る(生)、煮る、焼く、蒸す、揚げる。この5つの調理法を指し、懐石料理には欠かすことのできない調理法であります。
五味・・・酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(かんみ・しおからい)。この5つの味を指し、淡味が加わることで「六味」となります。
五色・・・白(清潔感)、黒(引き締め)、黄(食欲増進)、赤(食欲増進)、青(安心感)。料理の中でそれぞれの役割を果たします。
五適・・・適温(温かい料理、冷たい料理)、適材(年齢などお客様にあった素材)、適量(適度の量)、適技(技巧的になりすぎない適度な技)、適心(おもてなしの心)。
五覚・・・視覚・聴覚・臭覚・触覚・味覚。この五覚を使い味わうことです。
本日の南房総は梅雨の晴れ間気持ち良く、海岸は涼しさを求め沢山の人で賑わいました。
月替り新磯懐石七月の一品
【冷 鉢】 夏季山海合せ鉢
金目鯛 小茄子 オクラ
車海老 椎茸 とんぶり
海と山に囲まれた南房総の豊富な食材を用い、気鋭の若き料理人たちが独創性に溢れた感性と、修行で手に入れた塩梅で食材の良さを際立たせて見せます。料理は心を込めて作れば気持ちが伝わり気持ちなければこれもまた伝わる。技術だけでなく移ろう季節を観察し、歴史、文化を勉強し、料理と真剣に向き合わなければ決して良い料理は作れません。夢の中で描く最高の料理を追い求め若き才能が邁進します。
早朝の小湊では朝靄が山々を覆い、新緑からは澄んだ空気が滔々と流れ、朝日清々しいとても気持ちの良い朝となりました。今日も南房総は暑くなりそうです。
月替り新磯懐石五月の一品
【先 付】 長茄子水晶寄せ
雲丹 オクラ ミニトマト
職人、匠人などの名で呼ばれる人々は、風土や土地柄に根ざし、歴史の中で発展してきた技術、知識を重んじ受け継ぎ、機械ではけして生み出せない人間独自の技法、技術、勘などを長きに渡り習得し伝承する人々を総称して職人と呼びます。この職人の中でも「巨匠、名人」と呼ばれる人々は、真似のできない卓越した技術技能と専門知識、そして優れた人格を持ち、師匠として職人の養成にも貢献する職人の頂点に立つ人々を称えこう呼びます。目、耳、鼻、舌、身の五根を駆使し高度な技芸を用いて名人が作り出す芸術はもはや万人をも虜にしてみせます。世界中の職人達が憧れ、長い時間の中で培った伝統技術に更に磨きをかけ、独創的な巧みな技を編み出し、名人へと一歩一歩近づいて行きます。職人達が作る歴史そのものが詰まった最高の日本料理をごゆっくり召し上がり下さい。