和ダイニング【藏】の様子です。
本日より緑水亭の一階客室風呂、大浴場などのリニューアルをさせて頂くため、11月16日から12月24日までの間、全館休館させて頂きます。皆様には大変ご迷惑をおかけ致しますが、より快適に生まれ変わる緑水亭と、12月25日にオープン致します別邸「つきの里」を今後共どうかよろしくお願い致します。
新しい年を皆様に気持ち良く迎えて頂けますようにと年2回行われる恒例の畳の張替えが終わりました。客室にはほんのりと流れる本藺草の良い香りが漂い日本 本来の風雅な趣を演出しております。また、門松、お飾りと正月を迎える準備も無事整い、いよいよ新しい年を皆様とともに迎えることができます。今年は当館 緑水亭にとって大切な節目の年となる20周年を迎えることができました。これもひとえに皆様の支えがあってのことと大変感謝し心から厚くお礼申し上げま す。これからも皆様に末永く当館を御愛好頂けますように精進に努めて参りますので、どうか新年も旬彩の宿緑水亭を御贔屓によろしくお願いいたします。
緑 水亭一同皆様のご多幸をお祈りいたします。
鯉の稚魚が元気いっぱいに泳ぎまわっています。
今年の6月に産まれた鯉の稚魚がメダカほどの大きさに成長しました。毎年緑水園では池の鯉がたくさ んの卵を産卵し新しい生命が誕生します。当館では産みつけた卵を池から引き上げ別の水槽へと移動させ大きくなるまで丁寧に育てています。鯉は一匹数十万個 もの卵を産みますが当館で育つのは毎年ほんの数十匹程度です。このわずかな稚魚たちも元気に餌を食べ今年中には池に放流できる大きさまで育ちそうです。そ して来年の6月過ぎには、お兄さんお姉さんとなり、立派な大人の鯉へと成長していきます。鯉たちが優雅に泳ぐ旬彩の宿緑水亭へぜひ皆様お越し下さいませ。 池を囲む窓ガラス越しにふと立ち止まると、人を見つけた愛嬌のある鯉たちがご飯をちょうだいとせがまんばかりに集まってきます。とても可愛い鯉たちが皆様 をお待ちしております。
夏の日差しを浴び緑繁茂する緑水亭の木々たちも、植木職人の手により涼しげな様相へと姿を変えました。
ご覧下さい。先週暑い日差しの下一生懸命削 り落とした池の藻も、ご覧頂けますように一週間で見事に緑色となりました。日本にはご存知の通り四季があります。それぞれの季節にはさまざまな自然との関 わりがあり、この池の水一つを見ても、夏という季節が自然に与える生命力の神秘を容易に垣間見ることができます。夏の海、豊な緑生い茂る内浦山、そして自 然の中で生きる動物達、皆様夏こそ自然とふれ合う絶好の機会です。あらゆる生命が息づく自然豊な南房総小湊へ、ぜひ皆様お越し下さいませ。大自然が皆様を お待ちしております。
暑い夏を目前に控えた緑水亭では、緑色に染まる池の水が透明な輝きを取り戻し、また、日の光で小麦色に焼けた畳が藺草本来の色へと姿を変え、元気に泳ぎ回 る池の鯉と和の空間に漂う畳のいい香りが、お越し頂く皆様の心を和ませています。緑水亭ではよき日本の伝統を守り、お越し頂ける皆様に大切な一時をごゆっ くりお過ごし頂けますように、安らぎの空間を演出し皆様のお越しをお待ちしております。世界に誇る日本の文化、南房総が誇る新鮮な魚介を心から楽しんで頂 ける千葉房総の宿でございます。
賑やかな鯉の産卵が一段落し静寂さを取り戻した緑水園、日の光射し込む池の水面でひときわ白く輝きを放つ睡蓮が咲いています。
涼しげな池にふと目 をやると、一輪、二輪と慎ましやかに夏の訪れを告げる睡蓮が咲いています。なにげない日常の中で見る睡蓮、見るものにより一層季節の趣を感じさせてくれま す。
スイレン(睡蓮、学名:Nymphaea)
ス イレン科スイレン属の水生多年草。世界各国に40種ちかく原種があり、これを元に園芸品種が作られ、現在では100種以上存在します。日本ではハスとなら び夏を代表する水生植物。スイレンは水位の安定した環境に生息し、地下茎から長い茎を伸ばし水面に葉と花を浮かせ、葉は円形から広楕円形をし中心付近に葉 柄をつけ、気孔は葉の表面に分布し、根茎から直接伸ばす花柄の先端に綺麗な花をつけます。このスイレンは温帯スイレンと熱帯スイレンとに分けられ、水面の 直ぐ上に花をつけ塊根部がワサビの根のように細長いものが温帯産、水面から高く突き出した茎の先端に花をつけ塊根部が球根のように丸みを帯びたものが熱帯 産になります。開花期は温帯産が5月~9月、熱帯産は6月頃から活動し7月~10月にかけ花を咲かせます。花の色は赤、白、黄、ピンクがあり、熱帯産はこ の他紫、青といった色の花があります。日本では温帯スイレンが1種自生し、和名をヒツジグサ(未草)と呼び、午後の「末の刻」頃に花を咲かせることから名 付けられたと言われています。また、熱帯スイレンの原産地はエジプトとされ、エジプトではナイル河畔に咲くたくさんのスイレンが「ナイルの花嫁」と呼ば れ、エジプトの国花となっています。(スイレンはこの他、数多くの国で国花となっています。)花言葉は「心の純潔、純情、信頼」。
絵画では、かの 高名なフランス画家モネが睡蓮と水に映る光だけを題材に、多くの絵を描いたことは有名です。
天に向かって花開かせる山法師。
白い頭巾をいっぱいに広げ光輝を放つ姿はなんとも美しいです。
ヤマボウシ(山法師)
ミズキ科ヤマボウシ属の落葉高木。本州から九州、朝鮮半島、中国に分布 し、街路樹、庭園樹、公園樹などに広く用いられています。開花期は5月~7月。花→果実→紅葉と長い期間楽しむことができるので、庭木としては最適。(材 は器具材としても利用されます。)葉は楕円または卵円形で全縁、やや波打ち対生し、花は淡黄色でとても小さく、多数球状に集合し、白く花弁に見えるのは4 枚の大形で白色の総包片です。またヤマボウシは9月頃に1~3cmの球状をした食べることのできる赤い果実(集合果)をつけ、食感はやわらかくマンゴーに似た甘さがあり果実酒としても用いられています。(果皮も熟すととても甘いです。)このヤマボウシは常に水のある環境を好む植物であり、乾燥状態になると葉の回りなどが枯れ、ひどくなると小枝や全体が枯れることがあります。水はけのよい常に水の存在する環境を整えてやることが最良です。「山法師」の名の由来は、中央の丸い花を坊主頭、4枚の総包片を白い頭巾に見立て比叡山延暦寺の「山法師」になぞらえつけられました。また、果実の表面が桑のようにブツブツ しているようすから別名「山桑(やまぐわ)」とも言われ、中国では枝いっぱいに咲いた花が四方を照らす光景を表現し「四照花」と呼ばれています。花言葉 は、「友情」。
池の縁で淡い朱赤色に染まる山躑躅。
鯉も見惚れて仰いでます。
ヤマツツジ(山躑躅)
双子葉植物、合弁花類、ツツジ科ツツジ属の落葉低木(半落葉)。分布は北海道南部、本州、四国、九州の丘陵帯から山地帯下部に分布し、山などで普通に見ることのできる日本を代表するツツジです。開花期は4月~6月。果期は8月~10月。樹高は 1~4mになり、山では地面にへばりつくように成長しているものをよく見かけます。樹皮は灰黒色で縦に裂け目があり、枝は褐色の剛毛が特徴。葉は楕円形をし単葉で互生。枝の先に輪生に集まり表面は緑色、裏面は灰緑色をし、両面ともに褐色の伏毛が多く葉先は鋭頭です。花は直径4cmほどになり、花冠は漏斗形 で5裂し、上側の裂片には斑点があり蜜標の役割をします。雄しべは5個で花糸は有毛。花の色は淡朱紅色、朱赤色、紅紫色など。また、果実は長さ約1㎝の卵 形の朔果をつけます。このヤマツツジも古いもので樹齢1000年に及ぶ古木があるように、日本人との歴史は古く、ツツジの名は万葉集にある都追慈(つつじ)が語源とされ、名の由来は次々に花が咲くため「続き咲き」、また筒状の花をつけるので「筒咲き」などの言葉が訛ったという俗説等諸説があります。花言葉は「努力、燃える思い」。
客室の庭先で、神秘的な妙味を漂わせる石楠花が咲いていました。
この幻想的な色と形、自然は季節折々の雅致に富んだ風情を楽しませてくれます。
シャクナゲ(石楠花、石南花)
ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜 属の常緑性の低木を総称して呼び、狭義にはアズマシャクナゲやツクシシャクナゲのことを指します。このシャクナゲの分布範囲はとても広く、北半球の亜熱帯 から熱帯山地、南は赤道を越え南半球のニューギニア、オーストラリアまで分布しています。このように広範囲に渡って分布しているため、野生の変種、園芸品 種を合せるとその数は、数百種類あると言われています(ヒマラヤには特に多くの種類が分布しています)。開花時期は4月~5月。シャクナゲの花は大きく 派手な色彩が特徴で、色は白、赤、黄色などがあり、またこのシャクナゲの葉の部分にはロードトキシンなどの毒性が含まれ、これを摂取すると中毒症状を起こすのでご注意下さい。(「石南」という漢方薬がありますが、全く関連性はありません。)漢字の「石南花」は中国産の別種の名であり、これを誤って名付け「石楠花」は漢名であります。花言葉は、「威厳、荘厳、警戒、危険」。福島県、滋賀県の県花でもあります。
緑水園に鈴の音を響かせるかのように、鈴蘭が元気いっぱいに揺れています。
夏近い若葉繁茂する緑水園では、今さまざまな花々が僅かな花咲くときを 懸命に生きています。
スズラン(鈴蘭、別名:「君影草、谷間の姫百合」)
ユリ科ズズラン属に属する多年草。北海道、東北、本州中部以北に自生し、北海道を代表する花であり、北国の春を告げる代表 的な花でもあります。開花期は4月下旬から5月。地下茎を横に這わせながら茎を地上に伸ばし、葉蛸の筒は直立し、先端に緑色で柔らかい葉を数枚展開させ、 鈴(名の由来)のような白い花を複数個つけ、葉に隠れるようにして咲きます。このスズランは有毒物質を持っていることでも知られ、誤って活けた水などを飲 んでしまうと中毒症状を起こし大変危険なのでくれぐれもご注意下さい。日本で花壇や庭先などで栽培されているのスズランは、ヨーロッパ原産のドイツスズラ ンが多く、当館で咲いているスズランもこれです。より大型で、葉とほぼ同じ高さに花をつけます。スズランの花事葉「意識しない美しさ、幸福が訪れる、純 潔、純粋」です。緑水園で慎ましく咲いている鈴蘭でした。