秋の気配深まる緑水亭へ、光輝放つタマムシがやって来ました。
陽の光を浴び独特なタマムシ色に光り輝くとても神秘的な昆虫タマムシは、こちら房総 にも数多く生息している昆虫の一種です。普段はなかなか出会う機会の少ない昆虫で、タマムシに触れられるのは房総に住んでいても珍しく貴重な体験です。内 浦山にはこのタマムシを始め四季折々の不思議な昆虫たちがたくさん生息し、季節の移り変りを目で耳で感じさせてくれます。まだまだ残暑厳しく蝉の声鳴り響 く内浦山ですが、日も暮れる頃には秋の訪れを小さな虫たちが美しい声で教えてくれます。自然そのものの中にいるようなとても心落ち着く空間旬彩の宿緑水亭 で、房総の極上の魚介を頬張り悦楽の時間に浸って下さい。
タマム シ(玉虫、吉丁虫)
コウチュウ目タマムシ科。分布域は本州・四国・九州に分布。日本には約200種類が生息し本種を特にヤマトタマ ムシと呼んでいます。このタマムシは世界中のあらゆる昆虫の中でも最も美しいと言われている昆虫であり、全体に緑色の金属光沢が特徴的で、背中には赤と緑 の縦じまが入り、この上に幾重にも透明な層が表面を被いこれによって宝石にも劣らぬ様々な美しい色をかもし出しています。(これを構造色と言いCDも同じ です。)この光沢は天敵である鳥の目をくらませるためのものとも言われています。幼虫はエノキやケヤキなどの枯死木内に潜り込みそれを餌とし、成虫になる まで2~3年かかります。成虫になったタマムシはケヤキなどのニレ科植物の葉を餌とし、成虫になってからの寿命は1ヶ月ほどです。ちなみに漢字に使われて いる「玉」は宝石、宝玉の意味を表し、英名ではJewel Beetleと呼ばれています。そして古来から日本人の心を魅了し続けたタマムシは装飾品とし ても重宝され、最も有名な作品は奈良の法隆寺にある玉虫厨子(仏像やお経の巻物を納める物入れ)です。タマムシの前羽を4千5百匹分も貼り付けた贅沢な一 品です。また、言葉の中で使われる「玉虫色」というのは、はっきりとしない曖昧なものを例える時に使われる言葉です。