賑やかな鯉の産卵が一段落し静寂さを取り戻した緑水園、日の光射し込む池の水面でひときわ白く輝きを放つ睡蓮が咲いています。
涼しげな池にふと目 をやると、一輪、二輪と慎ましやかに夏の訪れを告げる睡蓮が咲いています。なにげない日常の中で見る睡蓮、見るものにより一層季節の趣を感じさせてくれま す。
スイレン(睡蓮、学名:Nymphaea)
ス イレン科スイレン属の水生多年草。世界各国に40種ちかく原種があり、これを元に園芸品種が作られ、現在では100種以上存在します。日本ではハスとなら び夏を代表する水生植物。スイレンは水位の安定した環境に生息し、地下茎から長い茎を伸ばし水面に葉と花を浮かせ、葉は円形から広楕円形をし中心付近に葉 柄をつけ、気孔は葉の表面に分布し、根茎から直接伸ばす花柄の先端に綺麗な花をつけます。このスイレンは温帯スイレンと熱帯スイレンとに分けられ、水面の 直ぐ上に花をつけ塊根部がワサビの根のように細長いものが温帯産、水面から高く突き出した茎の先端に花をつけ塊根部が球根のように丸みを帯びたものが熱帯 産になります。開花期は温帯産が5月~9月、熱帯産は6月頃から活動し7月~10月にかけ花を咲かせます。花の色は赤、白、黄、ピンクがあり、熱帯産はこ の他紫、青といった色の花があります。日本では温帯スイレンが1種自生し、和名をヒツジグサ(未草)と呼び、午後の「末の刻」頃に花を咲かせることから名 付けられたと言われています。また、熱帯スイレンの原産地はエジプトとされ、エジプトではナイル河畔に咲くたくさんのスイレンが「ナイルの花嫁」と呼ば れ、エジプトの国花となっています。(スイレンはこの他、数多くの国で国花となっています。)花言葉は「心の純潔、純情、信頼」。
絵画では、かの 高名なフランス画家モネが睡蓮と水に映る光だけを題材に、多くの絵を描いたことは有名です。