外房の海の恵み石鯛が水揚げされました。
どうでしょうこの出で立ち、皆様にはどのように映りますでしょうか。石鯛は一般にはあまり流通することの 少ない魚で、皆様は口にする機会が極端に少ないかと思われますが、石鯛は優れた旨味が絶品の言わずと知れた高級魚です。この石鯛は独特な旨味を持つことで も知られ癖のない磯の香りが特徴的なとても美味しい魚です。石鯛は大きさにより味が変化する魚でもあり一番美味しく召し上がるには30cm~40cm程度 の大きさがもっとも美味しいといわれております。この石鯛の身は白身で独特のほどよい磯の香りと甘味が絶妙で、歯ごたえはコリコリととても良い食感が味わ え、お刺身で召し上がれば最高の味わいを堪能することができます。また、しっかりと管理し二、三日熟成させれば一日目とは違った食感と旨味が味わえ石鯛の 旨味をじっくり楽しむこともできます。房総ならではの極上の海の幸石鯛、ぜひ召し上がりにお越し下さいませ。
イシダイ(石鯛、学名:Oplegnathus fasciatus )
硬 骨魚類条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目イシダイ科イシダイ属の海水魚。日本では北海道南部から九州までの日本各地の暖流に面した波の荒 い磯や浅い岩礁に生息し、世界では朝鮮半島南部、台湾に分布しています。全長は成魚で50cm、老成個体では80㎝を超え10kgにもなる個体がいると言 われています。石鯛の特徴は、体高が高く、著しく側扁し、前頭から尾にかけ体側に背部から腹方にかけて7条の黒い横縞があるのが特徴です。この縞は成長に つれ不鮮明となり全身は灰黒色へと変色し、同時に口の周辺が黒くなることから「クチグロ(口黒)」などと呼ばれています。(メスは老成しても縞は残りま す。)そしてこの口は名の由来の元ともなったように石をも噛み砕く強靭な歯を持ち、この歯で甲殻類や貝類、ウニ、カニなどを噛み砕き食べています。(口は 上下の顎ごとに歯が癒合し、嘴のような頑丈な形状をしています。)また、石鯛は他の魚と比べて知能が高く好奇心旺盛で、人が近づいても逃げなかったり、海 水浴では人間の体を突いたり、水族館では餌で手なづけ玉ころがしや輪くぐりなどの芸をし人気を集めています。(これは条件反射を利用しています。)石鯛の 産卵期は4月~7月。日没時に水面または水面近くで体を反転させ、水底に向かって急降下しながら分離浮性卵を放卵します。卵から孵化した稚魚は15㎜程に なると流れ藻や流木などの下に集まり、浮遊性の甲殻類、プランクトンを捕食し、全長が4~5㎝程度になると浅海の岩礁に定着し成長します。この頃の若魚は 「三番叟(さんばんそう、歌舞伎舞踏の三番叟の衣装から)」、「縞鯛(しまだい、縞模様から)」などと呼ばれています。この他石鯛は各地で、ワサナベ(和 歌山)、コウロウ(高知)、コリイオ(愛媛)などの様々な名で呼ばれ、釣り人の間ではクチグロは釣ることが至難なことから憧れの的となりとても人気の高い 魚であります。
南房総の早春の味覚、地だこが水揚げされました。
皆様、南房総の地だこを食べたことありますでしょうか。南房総の地だこの特徴は何といっても噛め ば噛むほどに溢れ出でる極上の旨味です。この旨味の元はふだん地だこの食べているものに秘密があり、南房総の海の幸、伊勢海老や鮑などをたくさん食べてい るからです。なぜこんなに地だこが美味しいのか納得です。当館ではこのとても美味しい新鮮な地だこをお刺身やしゃぶしゃぶで召し上がり頂いております。南 房総の旨味を凝縮した一味違う地だこ、ぜひ皆様召し上がり下さい。
マダコ(真蛸、真章魚、学名:Octopus vulgaris)
軟体動物門頭足網八腕形上目タコ目マダコ科。世界中の熱帯・温帯の 海域に分布し、日本では日本各地の主に浅い海の岩礁や砂地に生息し、昼は海底の岩穴や岩の割れ目に隠れ、夜に活動します。マダコの体長は複数吸盤のついた 八本の腕を含め60㎝前後になり、餌は甲殻類や二枚貝を腕で絡め捕り毒性の唾液で麻痺させ捕食します。タコはご存知の通り柔軟な体をしていますが、この柔 軟な体のほとんどは筋肉で構成され、この筋肉により強力な力を発揮し吸盤で吸いつけた貝の殻をこじ開けたりすることができます。繁殖期は春から初夏。メス は岩陰に卵(卵はフジの花のようなので「海藤花(かいとうげ)」と呼ばれます。)を数万~数十万個産みつけ、孵化するまで餌を摂らず、卵に新鮮な海水を吹 き付け、敵から卵を守り、孵化する1ヶ月後に孵化を見届け死んで行きます。孵化後の子ダコは(ほぼ透明)海流に乗り広く分布します。そしてタコの最大の特 徴は、無脊椎動物の中で最も優れた知能にあり、色、形を認識し問題を学習し解決することができ、また危険を感じると黒い墨を吐き姿をくらましたり、地形に 合わせ変形したり、色に合わせ保護色(皮膚には色素細胞がくまなくあり数秒で変色する。)になるなどとても優れた知能が特徴です。捕らえられた時には腕を 切り離すこともできます。(切り離した腕は再生します。)また、一見頭に見える部分は実は胴体で頭は腕の付け根にあり、この頭から腕が生えていることから 「頭足網」となりました。オス、メスの見分け方は、吸盤の大きさにばらつきがあり八本の内の一本の腕の先端に生殖器があるのがオスです。栄養素は豊富なタウリン、タンパク質、ミネラルを含みます。ちなみにタコの旬は夏ですが、関東のタコは冬が美味しいといわれています。
桃の節句の季節がやって参りました。
当館へお越し頂く女の子に、幸せと健やかな成長をお祈りするため雛人形が飾られました。
桃の節句
桃の節句の起源は平安時代に遡り、もともとは中国で 上巳の日に川で身を浄める禊ぎの習慣が平安時代の日本に伝わり、三月三日の「上巳の節句」が後に「桃の節句」へとなりました。これは中国から伝わった暦上 の節目の日で奇数が重なる日に邪気を祓う行事の一つであり、日本に伝わった後に少しずつ変化し江戸時代にはお祝いの日として幕府によって定められまし た。(明治になって廃止されました。)日本にはこの他桃の節句を含め五節句(人日、上巳、端午、七夕、重陽)があり、当時の貴族の間で身のけがれを祓う大 切な行事でした。
雛祭り
当時の人々は、 上巳の節句の日に野山で薬草を摘みその薬草を使い健康と厄除けを願っておりましたが、京の貴族階級の子女が着せ替え人形で遊ぶ「ひな遊び」と合わさり、自 己の災厄を紙人形に引き受けさせ川に流す「流し雛」へと発展しました。(現在でもこの風習が残されている地域があります。)そして室町時代には宮中で豪華 なお雛さまを飾り盛大にお祝いするようになり、この行事が武家社会、商家、そして庶民の間に定着しました。
○毎年恒例の「かつうらビックひな祭 り」は2月21日~3月3日までの間開催されています。
詳細は⇒「かつうらビックひな祭り」
本日の南房総はどんよりと曇った空と大地を彩る花々とで幻想的な風景が辺り一面に広がっていました。
月替り新磯懐石今月の一品
【揚 物】 新筍鳥味噌焼
タラの芽 蕗薹
食材には旬があり最も美味しく食せる瞬間がそれです。食材の持 つ本来の味と食材の旬を知ることにより初めて持てる技術と一体となり日本料理の真髄に近づけることができます。奥深い料理の世界で長年修行した職人のなせ る技を、見て、味わって下さい。
南房総は早春の風薫るとても暖かな一日となりました。
月替り新磯懐石今月の一品
【炊合せ】 合鴨団子
蕗 海老芋 蛤
木ノ芽 梅人参
たくさんの食材に触れ、たくさんの味を知り、た くさんの色を感じ、たくさんの料理を作り、積み重ね培った職人の技を使い、料理を作ってみては壊し、悩み妥協することなく、一品の料理の中に新たな息吹を 吹き込みます。こだわり抜いた料理を口にしたとき、きっと幸せを感じることができるはずです。