雨が上がり、燦然と輝く葉の上を、優雅に滑るカタツムを見つけました。
幼い頃、ふとカタツムリを見つけ夢中になってカタツムリと遊んでいた自分の 姿が想い出されます。このカタツムリを見て、懐かしい故郷を想い浮かべた方はどれだけおられるでしょうか。古くから子供達に親しまれ、遊び相手をしてくれたこのカタツムリも、時代の流れの中で少しづつ姿を消し、次第に存在を忘れられようとしています。
カタツムリ(別称:デンデンムシ・マイマイ・蝸牛)
触角の先に目を持ち、球型、またはまん じゅう型の殻を持つ、有肺類の陸貝を日常語で「カタツムリ」と言います。日本に生息するカタツムリでは、オナジマイマイ科やニッポンマイマイ科の種が代表 的です。カタツムリの生態は雨上がりに見かけるように、多くの種が湿った環境を好み乾燥に弱く、地理的生息環境によってさまざまな場所で生息しています。 この種の中には乾燥を好む種もあり、砂漠のような乾いた環境にも適応している種がいます。カタツムリは固有種が多いのも特徴で、移動能力が小さく地域ごと の種分化が起こりやすく異なる種が日本中に生息しています。島などでは特に固有種が多く、日本全土に分布している種はごく僅かです。この中でも形態や生態が分化し貝殻が退化したものをナメクジと呼びます。カタツムリの殻は右巻きと左巻きがあり、また海の貝とは違い目立つ突起を持つ種はなく、日本のカタツム リは小型で微小です。カタツムリの体は軟体部と呼ばれ、殻とは殻軸筋よって殻軸で付着しています。また、殻と体は一器官ともいえるものなので、殻を外しナメクジとして生きていくことはできず殻が破損すると死んでしまうこともあります。カタツムリの餌は頭部下面にある口の底部にあるおろし金状の歯舌で、生の植物や枯葉、菌類、藻類などの植物性のものを磨り取って食べています。雨が降った後コンクリートやブロックで見るカタツムリはそれぞれに含まれる塩分を摂食しに現れています。また、有肺類は同一個体なので、卵子と精子を同時に持ち自家受精もしますが、一般には他の個体と交尾することで受精し産卵しています。
記憶の片隅に残る懐かしいカタツムリでした。