房総の秋の味汐っ子が水揚げされました。
皆さん「汐っ子」(しおっこ)をご存知でしょうか。「汐っ子」とは、外房、東京、相模湾など関東で30センチ前後のカンパチの幼魚のことを「汐っ子」と言います。(または潮子・しょご)この天然ものの「汐っ子」は、夏が旬の成魚とは違い秋が旬になり、秋にな ると黒潮のながれにおされるようにして回遊してくるとても美味しい魚です。この「汐っ子」の味の特徴は、身がとても柔らかく脂がのり甘味があるのが特徴 で、これが成長するにつれ柔らかかった食感はコリコリと歯触りが良くなり、脂は旨味をさらに増し、より味が極まります。いずれもお刺身で食すのが最も美味 しく、お刺身でこのカンパチに勝てる魚はそうはいないと言われています。黒潮からの秋の贈り物「汐っ子」、皆様ぜひお召し上がり下さいませ。
カンパチ(間八、勘八)
硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区刺鰭上目スズキ系スズキ目アジ科ブリ属。日本南部、太平洋北西部の温帯・熱帯海域に生息し日本海では水深200mまでの大洋に生息する回遊魚です。特徴は背骨に並行し て黄色い線があり、最大で1.5mを超し体重は50kgを超えます。産卵期は夏。カンパチの食性は肉食のため、稚魚(流れ藻に付いて暮らしモジャコと呼ば れます。)は動物性のプランクトンを食べ、成長に伴いマイワシ、マアジ、イカ、甲殻類などを捕食し生きています。またカンパチは暖流魚で水温にデリケート なため、水温が13度以下になると成長が止まり死んでしまいます。(適した水温は20~30度です。)そしてこのカンパチは、ずば抜けて多くの栄養素を含 んでいることでも知られ、多価不飽和脂肪酸のEPA・DHAを多く含み、これらの成分は脂肪細胞を減らす効果があり特に内臓脂肪を減らす働きがあります。 また、体内で作ることのできない必須アミノ酸8種類をバランスよく多量に含む他、コレステロールや中性脂肪を下げ二日酔いも予防するナイアシン、血圧を下 げるカリウム、悪性貧血、不妊症の予防になるビタミンB12、そしてカルシウムなど様々な栄養素を豊富に含んでいる、とても優れた魚でもあります。いまで もカンパチは高級魚ですが、かつてはなかなか手に入ることのない高級魚でした。カンパチの名の由来は、正面から見ると目の間に黒い八の字模様が見えるので 「目の(間)の(八)」で「間八」と名付けられたと言われています。この他地域により、アカハラ、ネイゴ、アカバナ、アカネバ、チュウリキ、ネリコなどと 多様な名で呼ばれています。